台東くん
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浅草の歴史

浅草と言えば、浅草寺と三社さま(浅草神社)ということ異議を称える者はいないだろう。
今でこそ浅草寺と浅草神社は仏教と神道という宗教様式の違う別組織になっているが、明治初年の神道分離令が出されるまで、三社権現として、浅草寺と一体不可分の関係にあった。
「権現」とはよく聞く名ではあるが、意外とどういうものか理解されている人は以外に少ないのです。奈良時代から神と仏を一体としてみなす神仏習合はさかんに行なわれてきたのですが、さらに平安時代は思想的根拠が付け加わることで鎌倉時代にかけて、拍車がかかるわけです。その思想的背景になるのが本地垂迹(ほんちすいじゃく)説という考え方です。神道の神様は、仏教の仏が仮の姿をもって世に現れたと考えたのである。
実に明快に習合したのです。(その反対の考え方つまり、神が仮の姿として仏の姿で現れたとも考えられるようになります)

ともあれ日本での仏教の興隆は、江戸期の檀家制度もさることながらこの垂迹思想、権現思想の考えによるところが大きかったのです。

三人の神様を祀る三社権現もその思想に裏づけされたわけです。

では三社様の歴史を三社様の栞より見てみたいと思います。

推古天皇の36年3月18日(陽暦4月30日)春日うららかなる朝まだき、漁師の桧前浜成、竹成の兄弟が、浅草浦(隅田川)で漁労に精を出していたが、その日に限り一匹の漁もなく、投網にかかるのはただ人型の像だけで、始め兄弟は観音像であることを知らず、いく度か像を海中に投げ捨て、何度場所を替えて網を打ってもかかるのは不思議と人型の像だけなので、最後には兄弟も不思議に思い、その尊像を奉持して今の駒形から上陸し、槐(えんじゅ)の切株に安置して、当時郷士の文化人であった土師真中知にこの日の出来事を語り、一見を請うた所、これぞ聖観世音菩薩の尊像にして、自らも帰依の念深仏体であることを告げて、諄々との功徳、おはたらきにつき説明する所があった。

兄弟の者は始めてきく観音の現世利益仏であることを知り、何となく信心のもようされて、深く観音を念じ、名号をとなえ、吾られ猟師なれば、漁労なくしてはその日の生活にも困る者ゆえ、明日はよろしく大漁を得さしめたまへ、と厚く祈念して、翌19日再び網を浦々に打てば、願いの如く船中に魚くづ満ちて、大漁を得、土師真中知は間もなく剃髪して沙門となり、自宅を改めて新構の寺となし、さきの観音像を奉安して、供養護持のかたわら郷民の強化に生涯を捧げたというのが、『浅草寺縁起』伝承の起こりとなっている。

『承応縁起』による真中知の没した(舒明天皇11年(639)3月18日)後、間もなくその嫡子が夢告を蒙り「汝らの親は我を海中より上げて薫護せり、故に慈悲を万民に施し今日に及ぼしが、その感得供養の力は賞すべきなり。即ち観音堂のかたわらに神として親たちを鎮主すべし。名づけて三社権現と称し、いつき祀らば、その子孫、土地と共に繁栄せしむべし」といった意味の告示があって、ここに三社権現社が創建された様になっている。

これによると三社の創建は今を去る1357年の昔と云うことになるが、これは少々無理のようで、文中に見える「権現」の初見すら、既に承平年中(923937)であり、『応永縁起』に於いて土師真中知を阿弥陀如来の化身とし、桧前浜成を観世音菩薩、桧前武成を勢至菩薩の夫々化身としいる事からも、平安末期から鎌倉へかけて仏教普及の一つの方便として、仏が本であり神は仏が権(か)りに姿を現じたものである、とする権現思想が流行し出した以後に於いて、上記三氏の末孫崇祖のあまり郷土神として祀ったものであろうと推定される。

 

三社権現の祭神の子孫は代々僧形で、浅草寺及び浅草神社に奉仕し、いわゆる社僧として三社の社務を分掌していた。

土師氏の子孫は専当坊(専頭坊)、浜成の子孫は斎頭坊、竹成の子孫は常音坊と称し、世に浅草寺三晋代と唱え明治維新にまで至ったが、折しも神仏分離の政策に当たり、専当坊長夷は復飾して土師内膳と改め純然たる三社の神職となった。

現宮司の矢野泰良氏はこの土師氏62代に当たる。
                                浅草神社栞より抜粋

 









本地垂迹説








推古天皇36年
(628年)
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